借金返済

企業が融資を受けるのは簡単でも借金返済は大変なこと

なぜ融資は受けやすいのか

中小企業は一般的に、人・モノ・カネ・情報などの経営資源が、大企業に比べて十分ではなく、金融機関から融資を受けるには相応の障壁があると考えられます。しかし、日本政策金融公庫をはじめ地方自治体などでは、比較的簡単に融資が受けられるよう、中小企業者に対してさまざまな配慮をしています。
それは、低利・固定・長期といった特色を有する制度融資というメニューを構え、公的な資金を借りやすくし、中小企業の資金繰りをバックアップしているのです。
低利というのは、金利が短期プライムレートと同程度の利率に設定され、中小企業者の借金返済にかかる負担を軽減しています 。また、固定金利を採用し、市場金利が仮に上昇したとしても、金利は融資を受けた当時の利率が継続するという固定金利を採用することで、経営の安定化に寄与しているのです。さらに、最長で10年といった長期の資金提供を行うことで、返済期間を長くし、1か月あたりの返済額が少なくなるようなシステムになっています。

ダメージの矛先

これだけではありません。中小企業を取り巻く経営環境はいつの時代も厳しく、リーマンショックや・東日本大震災など、日本経済を揺るがすような事変が発生した場合、大きなダメージにより大きな痛手を被るのは、決まって中小企業です。それは、大企業ほど内部留保が十分ではなく、金融機関もダメージを受けて弱体化したところにまで、温かく手を差し伸べていては、金融機関自体が不良債権のヤマと化してしまうからと想定されます。
さらに、 得意先からの仕事を迅速かつ丁寧にこなしていく必要のある中小企業者は、絶えずコストダウン要請という大きな恐怖にさらされがちです 。折角利益が上がったとしても、次の年には製品単価が大幅にカットされ、借金返済に苦しむという大変な事態も起こりかねません。

金融機関の対応

もちろん、中小企業者が返済に苦しんだ際には、銀行や信用金庫などの金融機関は、中小企業庁及び金融庁からの通知に基づき、債務者である中小企業と十分な協議を行い、返済額の減額措置や返済期間の延長など、いわゆる「リスケジューリング」という対応をすることが義務付けられています。 これにより、中小企業者の倒産は大きく減少しました
しかしながら、一般に借金を返済するのは口で言うほど容易なことではありません。融資を受ける際には、綿密な返済計画を立て、それを着実に実行するとともに、返済に支障をきたすような事象は、極力排除する努力を怠らないようにしなければなりません。得意先の経営動向を調べる、取引先に妙な動きがないか絶えずチェックする、現在の経営方法で本当にムリ・ムダがないか点検を繰り返す、といった取り組みを常に行っていく必要があります。
ひとつの製品から生まれる利益がわずか1円であったとしても、それは貴重な企業の利益であり、借金の返済原資となるものです。そのことを十分に肝に銘じるとともに、社員全員にその考え方を浸透させ、1円の積み重ねが大きな利益を生むこと、1円を笑う者は、わずか1円の不足により企業倒産という事態に陥る場合があることを社員全員に認識させる必要があるのです。